2019/09/02 22:41
8月某日金曜日 21:30 近所にある某激安の殿堂にて。 ( 明日の手土産でも買ってくか……) 最後のクラスの教え子たちと一年ぶりに会えることになりました。 というのも、成人を迎えた子がお酒を飲みたいと誘ってくれて それならみんなに声をかけようかということになり 誰に頼もうかということになり 勝手に白羽の矢を立ててしまおうということになり 勝手に白羽の矢を立てられた男子が仕切ってくれたのです。 あ、もう男性か。 8月某日土曜日 19:20すぎ 京王多摩センター駅改札にて 仕事で少し遅れて待ち合わせ場所に向かうと、すでにみんな揃っていました。 「ひさしぶりー」 「「「 かるっ! 」」」 軽いってなんだよ 「1年前のテンションのままがいいか?」 「いやぁ、あれはやだよ」 「どっちでもいけるぞ? 日々未練と後悔に苛まれてんだから」 「先生その格好…いくつになったんだっけ?」 「ん?スーツのほうがよかったか?」 そんな話をしながら予約してくれたお店へ向かいました。 お店に入ると、まず確認しなければいけないことがありました。 「成人?未成年?」 「アタシ成人♬」 「オレ未成年〜♬」 「マジでやめてくれよ?未成年の飲酒!」 どうせ大学生になって飲んでるんでしょうけど…… 料理が届く前に手土産を出すことにしました。 「はい!誕生日8月だったよね?」 「うん」 「おめでとう♬」 もちろん、全員にあげます。 なんといっても30本入りですから♬ 「勉強頑張ってるか?」 「頑張ってるよ」 「じゃあげる」 「彼女できた?」 「こないだ別れた」 「じゃあげる」 「家のお手伝いしてる?」 「あまりしてない」 「じゃあげない」 くだらないやり取りを当時のように…… 「先生!つぎなに飲むー?」 「酔っ払ったら泣いちゃうかもしんないぞ?」 「じゃ、泣くまで飲んでー!」 近況報告、将来の話、思い出話などなど、いろんな話をしました。 ちょっとここには書けない話も…… 「中にいるときは何してたの?」 「クリーニング工場でアイロンかけてた」 「中にいるときはタバコ吸ってたの?」 「吸えるわけないだろーがっ!」 【 中での生活 】についても質問が続きました。 1年前は聞けなかったでしょうし いろいろ聞いてくれて私もよかったです。 正当化するつもりはありませんが 誤解されたままは嫌なので… 「先生いなくなってからいろんな先生来てくれたよね」 「知ってるよ、校長に聞いたもん」 「私たちの手紙読んだ?」 「校長先生がね、石塚先生泣いてたって言ってた」 「そうだな…」 留置施設にいたときの話をしました。 「ずっとみんなのこと考えてたよ…卒業式まで毎日遊んで過ごそうと企んでいて、教科書なんかも早く終わらせたのになぁ…」 「何しようとしてたの?」 「” 春を探しに ” とか適当なこといってお散歩したりとか…」 「あとは?」 「ほら、ホワイトデーの前だったから、お返しのお菓子でも用意して公園行ったり…」 「「「 めっちゃ楽しそうじゃん 」」」 「ホント何してんのよ…」 「すんません…」 一緒に過ごせなかった卒業式前の2週間 あの2週間のことを話すことができて ほんの少しだけ何かを取り返せた気がしました。 酔っ払ってはいませんでしたが すこし気が緩んだのか 「みんなとやりたい夢があるんだよね」 「「「 なになに 」」」 「ほら、移動教室で行った八ヶ岳ずっと雨だったじゃん」 「「「 うんうん 」」」 「またみんなであそこに行って、できなかったバーベキューやりたい…」 「「「 いいじゃん! 」」」 「「「 楽しそう! 」」」 「そ、そう?」 楽しみがまたひとつ増えました。 日々、未練と後悔に苛まれている。 本当です。 毎日です。 教師に戻りたい。 あの頃に戻りたい。 毎日思っています。 教え子と会うことができるとき その時だけは 先生に戻れたような気がします。 だからすごく幸せな時間でした。 本当にありがとう。 すごく楽しかった。 こんな子たちに出会えたというのに オレは本当に大馬鹿野郎です …...Continue to Act 2