2019/12/09 23:59


街中がイルミネーションで彩られ



サンタクロースも忙しくなるころ



毎朝……







「さみー」





と、ひとりごちながら


洗面所へ。



すると


あったかいお湯が出る。


すごくしあわせなことだと思う。




そして、中にいた頃を思い出す…







栃木の冬はなかなか寒い


毎朝顔を洗うとき


勇気が必要だった。



蛇口から出るのは冷水のみ


水の温度じゃなかった






冷水だった。






冷たい手を水で濡らし


…ひと呼吸


どんどん熱が奪われていく両手で水をすくい、顔を近づける。




ひえぇぇぇぇぇ




じゃなかった。






冷えぇぇぇぇぇ






…となる。




さらに、月に1回の散髪。




通称「刈り(がり)」




大半が丸坊主にする。



出所が近い人や


いわゆる模範囚は


ある程度髪を伸ばせる。



最近は模範囚なんて使わず


優良受刑者


なんていってるけど。




さておき


髪を切った(刈った)あとは、


水で頭を流すことが許される。


もちろん、冷水で。



真冬の刈りは本当に辛い。


人権上の配慮からか


風邪をひかせると面倒だからか、


ある日から散髪後にお湯が使えるように!









手桶に2杯のみ








足りない分は冷水


先にお湯を使うか


仕上げにお湯を使うか


そんなことで悩んだ。




蛇口をひねればお湯が出るなんて、


本当にしあわせなことだと思う。