「新宿に何時に来れる?」
突然の呼び出し…
あんなに迷惑をかけたのに、
何度も誘ってくれる。
新宿の街を見下ろせる
オシャレなお店で
サシ飲み
「俺の言うことを聞いていれば、今ごろ東京の教育のトップになれたのに、お前は本当に馬鹿だ」
いっつも言われる。
何度も何度も。
つーか、管理職なんかに興味ないし。
オレは生涯一教師でいるつもりだった。
クビになったけど…(T_T)
「お前は本当に馬鹿だ」
わかってるし。
「これからどうすんだ?」
「学校でも作ろうかな」
「金はあんのか」
「いまはない」
こんな話もちゃんと聞いてくれる。
あんなに迷惑をかけたのに。
「海を渡れ」
「それも考えてる」
「アフリカあたりに行け」
「やだ、アジアがいい」
こんな話もちゃんと聞いてくれる。
あんなに迷惑をかけたのに。
「オレ、そのへんの教師には負けませんよ?」
「そうだろうな」
「オレがいたら、もっといい学校になりますよ」
「そうだろうな」
こんな話もちゃんと聞いてくれる。
あんなに迷惑をかけたのに。
「やらかしたの誰だ?」
「すんません…」
「馬鹿野郎」
必ず馬鹿野郎がついてくるけど…
何度も何度も。
また行きましょうね。
今度はオレがおごりますから。

オレは本当に馬鹿野郎です。
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