2021/03/21 01:03





「チャーハン大盛りできますけど?」



「値段同じなの?」



「いえ、違いますっ」



「聞く意味ないじゃん!」



「失礼しましたっ!」



「ところでさ、時短営業緩和になったらアルコールの提供時間も延びるの?」



「聞いてきますっ!」








別に絡んだわけではない。





なのに…





「もう、そうやって絡むのやめな」





なんでやねん。



「聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥 」



「一時の恥が多すぎるのっ!」



ふん。



時短営業の悪いところは



酔うのが早い……



「オレさー、教員以外やりたいことないのよ」



「じゃどうすんの?」



「不労所得を目指すかな、もう何もしたくないしー」



「それってさー、何もしたくないんじゃなくて」








好きなことしかしたくないんじゃないの?








「そうだけど?みんなそうでしょ?」




「ひとつだけ言えることは…」








なんであんなバカなことしたのだ?








「さ、帰ろう」




会計のためレジに向かうと、



オーダーを取ってくれた店員さんが声をかけてきました。








「石塚先生ですか?」







「え?誰?」






胸のネームプレートを見ましたが記憶にありませんでした…





「ぼく、6年生のとき◯◯先生だったんです」



「ってことは、オレが5年担任のときのひとつ上か」



「はい!」



「その節はお騒がせしました」



「え?なんかミスったんですか?」






知らんのかい…






「がんばってね、また来るよ」



「はい!」





「「「ありがとうございました!」」」





まさかの知り合い




いや、知らなかったけど…




「あの子、オレのことよくわかったな」



「マスク外してたからじゃない?」



「10年前と変わってないってことか」



「他の学年の子なのにね」



「10年前と変わってないってことか」



「それなのに絡んでさー」






10年前と変わってないってことかな!






「オレさ、他の学年のお母さんに ”来年うちの子の担任してくださいね!” って言われたことあるんだよ」



「知ってるお母さん?」



「いや、知らないお母さん」



「それだけ目立ってたわけだから、節度ある行動を…」



「はい……」







意外なところで




意外なタイミングで




先生に戻る事ができました。




ありがとう。




◯◯くん。







オレは本当に大馬鹿野郎です。